穂高連峰の懐に抱かれた涸沢カールへ、テント泊2日間で歩いてきました。「涸沢は体力が必要」とよく言われますが、実際はどうだったのか。紅葉のタイミングや気温の実感、行動時間の目安まで、体験をもとにまとめます。これから涸沢テント泊を計画している方の参考になれば幸いです。
今回の行程データは以下の通りです。
- 1日目(2026/10/03):上高地→明神→徳沢→横尾→涸沢/距離15.8km、のぼり913m、くだり126m、標高差1280m(行動時間4時間59分)
- 2日目:往路を逆方向に帰ります(行動時間5時間13分)
- 合計:距離32.0km、のぼり1066m、くだり1060m
※GPSの記録時間は停止・再開の間を含まないため、実際の行動時間とは多少のずれがあります
車でのアクセスに注意
上高地は自然保護のため、一般の車は入れません。今回は沢渡(さわんど)に車を止めてタクシーで向かいました。規制区間の通行可能時間は5:00~19:00なのでどれだけ早く並んでも5時より前にはバスもタクシーも入れません。
4:00着で市営駐車場はすでに満車だった
紅葉ピークの土曜で、前日は晴れ予報。4時くらいに着けば余裕だと思っていましたが、市営駐車場はすべて埋まっていました。
沢渡には市営以外にも民間の駐車場がいくつかあります。今回は「つつき駐車場」に停めました。1日800円です。1泊2日なので1600円を先払いでした。
バスは大行列、タクシーは比較的空いていた
バスターミナルに着いた4:20の時点で、バス待ちはすでに大行列でした(300人くらい?)
タクシーは片道6000円の定額制です。最大4人まで乗れるので、4人いれば1人1500円。バスと同額になります。相乗りの可能性もあるので現金を持っていくことを強く推奨します。
朝いちで上高地に入りたい人へのアドバイス
- 紅葉ピークの週末は、沢渡に4時前到着を目安にする
- 市営駐車場が満車の時に備えて、民間駐車場の場所を事前に調べておく
1日目:上高地から涸沢へ、テント泊装備で挑む標高差1280m
出発は上高地。河童橋に朝日が当たり、谷にはまだ朝霧が残る時間帯からのスタートです。

上高地から明神にかけては、背の高い木々に囲まれた樹林帯歩きが続きます。平坦で歩きやすく、ウォーミングアップにちょうどよい区間でした。

明神館では多くの登山者が朝の休憩をとっていました。ここで一度小休止を挟みます。

休憩後に歩いていると、登山道脇にニホンザルの姿が。上高地〜横尾間ではこうした野生動物との遭遇も珍しくないようです。
徳沢キャンプ場に到着。芝生の上にテントが並び、奥には徳澤園が見えます。この時点ではまだ先を急ぐため素通りしましたが、この徳沢が下山日に大きな意味を持つことになります。

横尾大橋では、青空に昼の月と稜線が重なる景色に出会えました。ここから先、涸沢へ向けていよいよ本格的な登りが始まります。

横尾を過ぎると岩がちな登山道となり、谷は色づき始めていました。奥に見える険しい岩稜に、テント泊装備を担いだ足にも力が入ります。「涸沢はきつい」と言われる通り、1280mの標高差をテント泊装備で登るのは体力的にしっかりこたえました。事前に聞いていた通りの、覚悟が必要なコースという印象です。

登り続けること数時間、ついに涸沢カールへ到達しました。紅葉の斜面に涸沢小屋とカラフルなテント群が広がる光景は、期待以上の絶景でした。



涸沢ヒュッテの売店には、おでん800円、ラーメン1300円、生ビール1000円などのメニューが並んでいました。長い登りの後だけに、どれも魅力的に見えます。

夜になるとテント場や山小屋に灯りがともり、静かな時間が流れます。この時の夜〜朝の気温は、体感では氷点下にはならず、思っていたより暖かいと感じました。登山着にダウンジャケット、シェル、ダウンパンツという組み合わせで十分に快適に過ごせたので、防寒装備を検討している方の参考になればと思います。

2日目:モルゲンロートと、下山
2日目の朝、テントの外に出ると穂高連峰がオレンジに染まるモルゲンロートに出会えました。朝焼けで岩肌が赤く染まるこの瞬間は、涸沢に泊まったからこそ見られる景色です。

テントを撤収し、涸沢ヒュッテの入口から下る谷を眺めてから下山を開始しました。

下山途中、横尾山荘で「徳沢にピザがある」という情報を耳にしました。1日目は素通りした徳沢ですが、この情報をきっかけに予定を変更し、徳澤園へ立ち寄ることにしました。山小屋での何気ない情報交換が、行程を変えるきっかけになった瞬間です。
徳澤園の食券機には、窯焼きピザ1930円、野沢菜チャーハン1350円などが並んでいました。

注文したのは自家製野沢菜チャーハン(スープ付き)と、ボローニャハムときのこの窯焼きピザ。どちらもボリューム満点で、下山の疲れを癒やしてくれる味でした。


徳澤園でしっかり腹を満たした後、上高地まで歩いて今回の2日間の山行を終えました。
まとめ
涸沢カールのテント泊は、「体力が必要」という評判通りの登りごたえがある一方で、紅葉とモルゲンロートという期待以上の景色に出会えるコースでした。また、下山時の横尾山荘での情報収集から徳澤園のピザにたどり着けたのも、今回の山行の思い出深いポイントでした。
タクシーを待つ列は屋外にできます。順番が近づくと、乗車する組ごとに屋内のベンチへ案内されます。
ここで4人未満の組を見かけたら、相乗りを持ちかけてみましょう。
- 料金は1台6,000円の定額。人数が多いほど1人あたりが安くなる
- 2人組どうしなら、1人3,000円が1,500円になる
- 相手にとっても得なので、声をかけやすい
断られたときは、無理に誘わずに引き下がりましょう。

